創刊1996年

弱者の視点に立ち|「人づくり」と土台強化【美波町議・戎野博】

2026/9/9 01:51

 振り返れば、20年余り議員を務めて来た。32年間勤めたNTTを52歳で中途退職し、53歳で日和佐町議(当時)に立候補、トップ当選を果たして以来、連続6期を来春の改選で終えようとしている。

「なぜ」と自問自答し

 理論だった勉強もしないまま、就職した電話局での組合活動や地区労働運動を通じて、職場や地域で労働者が報われる社会主義を夢見、日本社会党に入党、新社会党発足時から徳島県本部で生真面目な仲間と転向することなく歩んでこれたことを幸せに思う。

 しかし、100名を超す国会議員を出していた社会党が、かろうじて1議席を確保できるかどうかの党となり、その存在さえ消えようとするのはなぜか。新興IT企業党の新たな出店により、資本主義に代わる展望を大衆に伝えきれないまま、ポピュリズム、排外主義が大衆をとらえる。平和と民主主義を守る末端の地方議員として、この「なぜ?」の問いを常に自問自答してきた。

否決覚悟で議事録に

 いまや国政から地方議会まで、分断は深まり、私の町でも革新リベラルと保守派の溝は深まり何十件と請願や意見書を出しても、誰が提案者になるかで採決の結論は初めから決まってくる。

 提案の内容ではなく誰が提案したかでまともな審議もせずに、多数決民主主義、すなわち数の力で反対の理由も討論もなく、否決される。今が良ければ、自分さえ良ければと民主主義が死んでいく。否決を覚悟で、たとえ負けても、その事実を歴史に記録するかのように議事録に残し、あとに続くものに伝えるのである。

連帯できる土壌作り

 組織づくりに一発逆転のホームランは期待できない。地道に土台、組織の基盤をコツコツと築いておられる全国の仲間が陰の下働きをいとわず頑張っていることでしょう。

 たゆまぬ不断の努力を重ね、弱者の視点に立ち、人らしく生きるものの見方を持った「人づくり」の学びと足腰を強くする「党学校」や地方議員の育成によって土台を強くしていかなければ国政でも勝負にはならない。

 もう一度、労働者同士が連帯できる土壌を作りなおす。非正規雇用のスポットワークやフリーランスの未組織の組合化に拠り所を求め、一緒になって問題に立ち向かっていく。民主主義を破壊し、戦争に向かう力に、まずは味方の中に敵を求めず、新社会党としてまとまり、理想を伝え、広め連帯していく、高齢化が進む組織の足腰をもう一度強くしていこうではありませんか。