4月16日から3日間の日程で開かれた県議会4月臨時会で、「東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に関する新潟県民投票条例案」は、自民党会派などが反対して否決(賛成16・反対36)され、14万3196人の思いはかなわなかった。(本紙5月7日付1面で既報)
知事は条例提案時の意見に、「賛成、反対の二者択一では県民の多様な意見を把握できない」としたが、他には条例の不備など技術的な枝葉の問題を指摘するにとどまり、知事が県民投票に反対する十分な理由を見出すことはできなかった。
そして、県民投票に代わる「多様な意見を聞く方法」として、公聴会や首長からの意見聴取、県民意識調査を挙げているが、この手法でどれだけ多くの県民の意見を集約できるかも明らかにされなかった。
さらに自民党などの会派は、「署名の重みを受けとめる」と言いながら、「再稼働問題は、高度な専門知識を有する極めて複雑なテーマであり、国家規模の問題と直結していることから、県民投票の対象としてふさわしくない」などと県民の判断力を貶(おとし)め、「投票結果が議会における自由闊達(かったつ)な議論を束縛する可能性が否定できない」など、およそ理由にもならないことを挙げて条例案に反対した。
採決の結果は、12年前にに比べ賛成議員が7人から16人と倍増した。そして、依然として原発構内の事故は頻発しており、豪雪時の避難問題や東電の運転資格など、問題は山積している。
知事は5月8日の記者会見で、県民の意見を見極める手段として「意識調査」について、「選択肢をどう作るか難しい」「条件付きの考えの人がかなりいると思う」と述べた。
裏返せば、「選択肢」によって結果は変わるし、「条件」が整ったか、あるいは整わなかったかは知事が恣意的に判断できる可能性が高い。
今回、県民が直接意思表示のできる県民投票の機会を逃したことは大きな損失だが、知事は質疑の中で、「多様な意見の把握」「県民に信を問う」ことを改めて約束した。
今後も県議会の議論と県民運動をつながる中で知事の一方的な判断を許さず、より民主的な方法で原発再稼働の議論が行われるよう取り組んでいきたい。