日米安保や日米地位協定で被害を一方的に押し付けられている自治体の議員として、第5次厚木基地爆音訴訟で過去最高の原告団員8879人の原告団長をしている。
厚木基地は、神奈川県綾瀬市と大和市にまたがっており、米海軍と海上自衛隊が共同使用している。もちろん、主導権は米軍だ。
現在、米軍艦載機の離発着訓練は山口県岩国基地に移ったが、その騒音被害は地元の大和市と綾瀬市は無論のこと、相模原市や藤沢市、座間市、海老名市の県内6市と東京都町田市まで及んでいる。
そのため、第5次爆音訴訟団はこれらの住民、約1800世帯から構成されている。
第1次爆音訴訟は、1960年7月に基地周辺の5つの自治会の365世帯で爆音防止期成同盟を結成して提訴された。もう65年間闘い続けている。
私たち住民の願いは基地の危険性の除去と、早朝夜間にかかわらず爆音を発する訓練をやめてほしい、というものだ。訴訟も爆音被害の賠償と、それを起こす飛行差し止めを求めている。
しかし、裁判は騒音被害については一定の補償を被告の国と米軍に命じるが、飛行差し止めは認めようとしない。昨年11月の横浜地裁判決でも、これが繰り返された。
第1次爆音訴訟で最高裁が判示した「第3者行為論」、米軍の行為には日本の司法が及ばないーが続いている。日米安保や地位協定が憲法の上に置かれ、米軍基地や米軍の行動は憲法番外地、治外法権となっている。
しかも、米軍は裁判所が支払えと命じた損害賠償額を支払ったことがない。日本政府に肩代わりさせる。日米地位協定では、米軍が公務執行中に民間人ら第三者に損害を与えた場合、米側のみに責任があれば米国75%、日本25%となっている。
東京新聞1月21日付は、「在日米軍の騒音賠償金700億円超…アメリカ1円も払わず 日本が肩代わり 日米で負担するルールどこへ」との見出しで、「防衛省によると、1993年に最高裁判決が出た第1次・第2次の横田基地訴訟からこれまで日本側が支払った賠償金は、遅延損害金を含めて計706億5000万円余りに上る」と報道した。
当然ここには厚木爆音裁判で確定した賠償金も入っている。
ここまで米軍に弱腰な政府と、それを追認する司法が、私たちが求める生活の安寧の前に立ちはだかる。
第5次訴訟の横浜地裁判決では、艦載機が岩国基地に移駐したので騒音は減ったと賠償地域と額を減らした。しかし、住民にとって騒音は減っていない。日米地位協定の問題も含めて裁判と議会、市民運動で世論を変え、政治を変えていく。